FROM THE STATION / 10 MINUTES ON FOOT
駅を出ると、
山が近い。
醒ケ井駅から旧中山道へ。日差しのある駅前を抜けて歩くうちに、道のそばから水音が聞こえ始める。旅の入口から地蔵川までは、歩いて約10分。
PROLOGUE
A TOWN BORN FROM SPRING WATER
町の真ん中を、
冷たい水が流れている。
滋賀県米原市、霊仙山のふもと。醒井宿では、湧水を源とする地蔵川が家々のすぐそばを流れている。橋を渡り、水音を聞き、流れの中をのぞき込む。ここでは町を歩くことと、川をたどることが同じ意味になる。
醒井は中山道61番目の宿場町として栄えた場所。旅人が喉を潤した清水は、今も変わらず町の輪郭を描いている。
THE WATER HAS NEVER
STOPPED RUNNING.
木陰を縫う地蔵川。水面には緑が映り、小さな橋が暮らしと川をつないでいる。
CHAPTER 01 / FLOWERS IN THE CURRENT
流れの中で、
花は揺れる。
梅の花に似た、小さな白い花。梅花藻は、冷たく澄んだ水の中で流れに沿うように育つ。水面から顔を出す花もあれば、水の膜をまとって揺れる花もある。
地蔵川の水温は一年を通して約14℃。盛夏の光の下でも、水に手を近づけると空気が一段冷たく感じられる。
BOTANICAL NOTE
- NAME
- 梅花藻/バイカモ
- SEASON
- 初夏から晩夏
- BEST VIEW
- 7月初旬〜9月中旬ごろ
CONSTANT TEMPERATURE
14°C
季節が変わっても、
水の冷たさは変わらない。
山から湧き出す水が、町を抜け、花を育てる。醒井の風景は一筋の流れから始まる。
CHAPTER 02 / LIVING WITH WATER
川は、景色ではなく
暮らしのすぐ隣に。
川沿いには、小さな橋と水場が連続している。庭の緑が水面まで枝を伸ばし、花を植えた鉢が流れのそばに置かれている。
観光のためにつくられた水辺ではない。毎日の動線の中に川があり、その積み重ねが醒井宿らしい景色になっている。
ALONG THE RIVER / SMALL SCENES
歩くほどに、
水辺の表情が変わる。
THE SOURCE / ISAME NO SHIMIZU
水の始まりへ。
地蔵川の源のひとつ、居醒の清水。日本武尊が伊吹山で傷ついた体をこの水で癒やし、正気を取り戻したという伝説が、醒井の地名の由来として残る。
町を流れる水を上流へたどると、風景の背後にある長い時間へ行き着く。
CHAPTER 03 / THE OLD POST TOWN
水辺から、
宿場町の記憶へ。
川から少し視線を上げれば、街道沿いの建築や瓦屋根が見えてくる。醒井宿は、自然の美しさだけでなく、旅人を迎えてきた町の時間も残している。
街道沿いに立つ旧醒井郵便局。擬洋風の外観と赤い丸型ポストが目を引く。
A SUMMER WATER WALK
醒井宿と梅花藻を歩く、
夏の小さな旅。
JR醒ケ井駅から地蔵川までは徒歩約10分。居醒の清水から川沿いを歩き、旧醒井郵便局や宿場町の建物を訪ねても、半日ほどでゆっくり巡れます。
- 01
THE SOURCE
居醒の清水
地蔵川の流れが始まる場所へ。水の透明さと、木陰の冷たい空気を感じる。
- 02
WATER FLOWERS
地蔵川の梅花藻
花を探しながら川沿いを歩く。晴天が数日続いた後は、水中の姿まで見えやすい。
- 03
POST TOWN
醒井宿の町並み
連続する小橋と水場を眺めながら、旧中山道の建物を訪ねる。
- 04
ARCHITECTURE
旧醒井郵便局
擬洋風建築と丸型ポストを見て、駅へ戻る。開館状況は事前に確認したい。
SIDE TRIP 01
SAMEGAI TROUT FARM / A COOL SUMMER AFTERNOON
もう少し、
冷たい水の奥へ。
醒井宿を歩いたあと、霊仙山のふもとへ少し足を延ばす。醒井養鱒場には、森の木陰と湧水をたたえた池が広がっている。宿場とは別の場所だからこそ、午後の小さな旅として計画したい。
WATER, FOREST, TROUT
夏の日差しから、
森の木陰へ。
明治11年に設立された、日本でもっとも歴史あるマス類の増養殖施設のひとつ。鍾乳洞から湧く清水を使い、イワナ、アマゴ、ニジマス、ビワマスなどが育てられている。
大きな池をのぞき、水路に沿って歩く。水音が途切れず、頭上には深い緑が重なる。7月、8月の醒井で、涼しさそのものを目的に訪れたい場所です。
ONE-DAY PLAN
- MORNING醒井宿梅花藻と地蔵川を歩く
- TRANSFER約10分車または予約制乗合タクシー
- AFTERNOON醒井養鱒場森と湧水の中で1.5〜2時間
PHOTO JOURNAL / 12 FRAMES
水辺の記憶を、
もう少し。
醒井宿と醒井養鱒場、それぞれの光と水の表情を集めました。写真を選ぶと、切り取られていない全景で見られます。
COLLECTION 01
醒井宿
SAMEGAI-JUKUCOLLECTION 02